ブラックロック社長、市場復活の準備が整っていると発言
世界最大の資産運用会社であるブラックロックの共同創業者、ロバート・カピート社長は、市場が復活の準備を整えていると発言しました。同氏は、メルボルンで開催されたアジア太平洋ファイナンシャル・イノベーション・シンポジウムにおいて、マネー・マーケット・ファンド(MMF)と銀行の現金代替口座に、それぞれ約9兆ドル(約1389兆円)もの資金が眠っていると指摘しました。
縮小する株式市場で「非常に大きな力」に
カピート氏は、投資家がプライベート資産にシフトするにつれて縮小している株式市場において、この巨額の資金が「非常に大きな力」になると語りました。さらに、「この動きを見逃す手はない」と強調し、投資家の動向に注目することの重要性を訴えました。
投資家の現金離れは米FRBの動向次第か
一方で、投資家がいつ現金離れを決断するかは、米連邦準備制度理事会(FRB)の次の動きに大きく左右されるかもしれません。UBSグループのストラテジストは、米国の力強い成長と粘り強いインフレが相まって、FRBが利下げではなく利上げを実施し、借り入れコストを来年に6.5%にまで引き上げる可能性が高まっていると指摘しています。
カピート氏、以前にも休眠資金に注目
カピート氏は以前にも、マネーマーケットに滞留している現金の山に言及しています。今年1月には、金利が下がればすぐに債券に振り向けられる数兆ドルもの休眠資金に注目していると語っていました。また、マネーマーケットの現金の多くは、モデルポートフォリオや上場投資信託(ETF)に振り向けられる可能性があるとも述べていました。
市場の動向を左右する巨額の資金の動きに、投資家や市場関係者は引き続き注目していくことになりそうです。
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