米国の3月消費者物価指数(CPI)の発表を受け、円相場が1ドル=152円台後半まで下落
米国の3月消費者物価指数(CPI)の発表を受け、円相場が1ドル=152円台後半まで下落し、約34年ぶりの安値を更新しました。この152円という水準は、日本の通貨当局にとって越えてはならない一線とされてきましたが、今回簡単に突破されたことで、当局の痛みを感じる水準がもっと高いかもしれないことが示唆されています。
2022年には、円相場が145円台に下落した際に約24年ぶりの円買い介入が実施
2022年には、円相場が145円台に下落した際に約24年ぶりの円買い介入が実施され、152円が目前に迫った同年10月にも2度の介入が行われました。介入総額は9兆円に達しました。しかし、現在の円安は、それらの水準を下回っています。
日米の金利差を背景とした円売り・ドル買いが止まらず、為替介入レベルに突入
日米の金利差を背景とした円売り・ドル買いが止まらず、為替介入レベルに突入しています。日本銀行が緩和的な金融環境を維持する姿勢を示す一方、米国ではインフレ鈍化の進展が滞っていることや労働市場の堅調さから、年内の利下げ回数が3回を下回る可能性が意識されており、日米の金利差は縮まらないとの見方が広がっています。
岸田文雄首相は、為替相場の過度な動きには適切に対応し、あらゆる手段を排除しないと述べる
岸田文雄首相は、為替相場の過度な動きには適切に対応し、あらゆる手段を排除しないと述べました。神田真人財務官も、日銀がマイナス金利解除を含む大規模金融緩和の見直しを決定した後の円安の動きについて、「強い違和感を持っている」と語っています。
152円を突破したことで、日本の通貨当局が円買い介入に踏み切ることへの警戒感が高まる
152円を突破したことで、日本の通貨当局が円買い介入に踏み切ることへの警戒感が高まっていますが、構造的要因や低ボラティリティーに伴う円キャリー取引などにより、円安に歯止めがかからない状況となっています。今後の日本の通貨当局の対応が注目されます。
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